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かかりつけ薬剤師

2016-02-04

高齢者で問題となりやすい多剤併用(ポリファーマシー)に起因する合併症は、診療科を問わず、外来中心の開業医の永遠の悩みではないかと思います。

大学病院口腔外科で、入院患者さんを診ている場合であれば、服用している薬を全て把握できますが、外来だと難しいこと極まりない。当院では歯科衛生士の資格を持つ受付が丁寧に患者さんから聞き取り、当医が既往歴から整合性を確認するという方法を行っておりますが、それでも漏れはある様です。

以前の日曜日に患者さんから、「処方薬を服用後、下肢が浮腫んでいる。」との連絡を受けて、出先の県外から慌てて帰院すると、浮腫を確認するためにズボンを脱がせようとしても脱げない程の浮腫を経験したことがあります。ハイドレーションのみで事なきをえた症例でしたが、当方から処方した薬と併用禁忌の薬が、他科より処方されていたことが原因でした。では、二重確認をしているに関わらず、何故そのような基本的なミスが起こったかといえば、診療科が違うし、複数科より多くの薬をもらっているので、患者さんが主要と考える薬と病名のみセレクションして申告したとのこと。

ポリファーマシーの解消を阻む壁はいくつもあると思いますが、それら全てを解消できるのは、薬剤師さん以外にいないと思っています。ただ現在は、お薬手帳も薬局ごとに交付され、薬剤師さんの専門性が発揮しきれていないというのが現状だと思います。

厚生労働省は1月27日の中央社会保険協議会で、平成28年度の診療報酬改定において『かかりつけ薬剤師』なるものを提案したとのこと。ポリファーマシーの解消からすれば喜ばしいことではありますが、以前に廃止された『かかりつけ歯科医』制度には矛盾点や問題も多かったため、名称の似ている同法案の内容は如何なものかと、アンテナを張っておりました。

その内容といえば、ポリファーマシーの解消につながるものであり、患者さんにとっては福音のようです。ただ、『かかりつけ薬局』ではなく、『かかりつけ薬剤師』という内容で、一人の薬剤師さんが24時間態勢で患者さんの相談に応じるというのが条件のようで、薬剤師さんの過大負担につながりそうな内容です。

薬局で対応するならいざ知らず、薬剤師さん個人で24時間対応というのは、無謀のような気がします。厚生労働省は平成13年に、概ね45時間/1ヶ月を超えて時間外労働時間が長くなることは過労死の警戒ラインとの基準を示しておりましたが、『かかりつけ薬剤師』となれば、その時間は数日でオーバーしてしまうような気がします。厚生労働省の医療人への無配慮がハンパ無い気がするんですが・・・。
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No title

多剤併用には私も悩んでいます。

以前、「口が渇く」の主訴の方で、投薬を調べてみたら、42種類ありまして、手の施しようがありませんでした。

医療人として出来る限りのことをしようと思い、東洋医学の先生(鍼灸医)を紹介したのですが、「自費治療のお金が払えない」という理由で、その患者さんは通院して頂けませんでした。

ほかに何か出来る事は無かったかと自問しています。


西川先生へ

西川先生は症例が豊富ですね。42種類となると、どれかの薬剤が相互相乗作用があってもおかしくないですね。

ただ、多剤併用の解消を阻む壁はドクターが最大のものかもしれませんよ。僕は口腔乾燥症の時にアシノンを処方しますが、御高齢の方であれば、抗コリン薬は処方されているはずですが、自科の症状さえ治まれば良いと思ってしまいますから。ただ、アシノンは抗コリン薬と理論的には拮抗するけど、問題は報告されていないとされています。そんなのが積み重なって、多剤併用になっていくんだと思います。

西川先生の選択は正しかったのでは。臨床医をしていると自分の無力を感じます。

いつもコメントをありがとうございます

いつもコメントをいただき、ありがとうございます。楽しみにしています。

さて、以前にお仕事が適職かどうかと言っておられましたが、僕の場合は仕事は適職ながら毎日数平方メートルが全ての人生を少し変えようと、この日曜日は半日、自分だけのための時間をすごしました。大いに気分転換になりました!

あなたのように現状を考えるというのも大いにプラスになりますね。こんなことは自分一人では考えもつかぬことです。

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Re: こんばんは

多職種の方が寄り合っての会合が一番ストレス発散になります。基本的にあまりなく、会合の殆どが同業者との集まりなんですが・・・。
元々おしゃべり好きですが、医院では従業員の方とは話さない(小さな医院で私語も患者さんに聞こえてしまうので話せない)ので、女性のようですがたわいもないことを話すのが今のストレス発散かな?
今はあなたとのコメントのやり取りもすごく楽しみにしています。あなたのストレス発散は?

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Re: こんばんは

林先生ってそんなことも知っておられるんですね。タンパク質の凝固って42度超1分以上で起こりますから、歯科切削器具の冷却水って、歯の神経の主成分のタンパク質を守るためでもあるんですよ。ちなみに熱いお風呂に入っても大丈夫なのは、37度以下の血液でクーリングしているからなんですよ。ただ、余裕が5度程度というのは人間の身体は繊細かつ脆弱ですね〜。
銀色の歯の詰め物は、日本では保険治療では金銀パラジウム合金を使っているからなんですが、先進国でこの合金を使っているのは、日本だけです。パラジウムって金属アレルギーの原因ですが、コストパフォーマンス抜群ですから。保険で白いのはレジンというプラスチックですが、弱い材料なので、力のかかる部位には使えない。日本の歯科医師の苦悩かな。そのテレビのスポンサーってもしかしたら日本歯科医師会?な〜んてね(^-^)
今回のこととは全く別のことですが、君の文章はすごく読みやすいですが、教職過程は生きておられますよ。最近、必要に迫られて、会計の勉強をしているが、向き不向きがあるのか基本的なことの理解が進まず苦労してます。

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お疲れ様でした

実り多い出張となりましたか?僕の方は水曜の夜から眠り続け、起きると休日はほぼ終わっておりました。

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奈良井聡

Author:奈良井聡
徳島県の開業歯科医です。

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