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AEDは魔法の箱か?それよりもっと大切なこと。

2017-08-25

加茂暁星高校で7月、野球部の2年生の女子マネジャー(16)が、5日に入院先の新潟市内の病院で亡くなられました。人生これからの若い方が亡くなられましたこと、哀悼の意を表します。

ただ、この件に関して様々な方が意見をおっしゃっているようですが、野球部の監督を殺人者のごとく扱っている方も結構な数がおられるようです。

その根拠が、野球部の監督が女子マネジャーにAEDを装着していれば、助かったのではないかということです。ただ、AEDは、心臓の再起動装置ではなく、リセットを目的としたもので、その適応が心室細動(VF)と脈なし心室頻拍(VT)となっています。つまり拍出に無意味な心筋の痙攣をリセットするものです。脈ありVTでは却って有害のケースもありそうです。しかも、AEDのアルゴリズムは心電図から得られる情報をもとにしていて、脈の有無は推算のようですし、リセットされても動かさなければ無意味だと思います。触知による脈診にしても血圧の低下によって触知しうる動脈も変わってくるでしょうし・・・。

死線期呼吸を呼吸と勘違いしたことも論点になっているようですが、一応医療関係者の当医も死線期呼吸を見たのは二度だけです。口腔癌のターミナルの患者さんであったため、ある程度の予測の中での状況でしたが、突然の事故的な状況の中で判断するのは難しそうです。

いろんなことを考えると、AEDの装着のいかんよりも、まずは胸骨圧迫と人工呼吸かなと思います。人工呼吸に抵抗があれば、胸骨圧迫だけでも蘇生率は変わってくると思うのですが・・・。服を脱がしてAED装着、口対口での人工呼吸より、よっぽど敷居が低いと思います。

政策誘導からか、急速にAEDが普及いたしましたが、もっと普及させていただきたいのは CPR教育の方ではないかと思います。医療関係者ではない監督さんを責めるよりももっと取り組まなければならない問題だと思います。
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夏休み

2017-08-05

夏休み本番で、当院も子供の受診者が多くなっております。子供さんの診療は、本人の機嫌などにより思った以上の時間がかかることがあり、予約の患者さんにもご迷惑をお掛けするすることもしばしばですが、診療予約の工夫などで可能な限りの対応を致しておりますので、ご容赦ください。

さて、静岡県吉田町が、教員の長時間労働の解消のため、2018年度から町立小・中学校の夏休みを最短で10日間にし、春・冬休みについても合わせて3日間短縮するというニュースを聞いて驚いております。

父親は教員で、普段は補導だなんだのいって、夕食の時にも顔を見ない父親でしたが、幼い頃夏休みは結構遊んでくれた思い出があります。ただ、教員が夏休みに働いていないとの世論が上がり、夏休み中も教員が出勤するようになったんですよね。そのしわ寄せが夏休みの短縮というのでは、子供にとっても望ましくないような気がします。

制度が時代によって姿を変えるのは必然かもしれませんが、その変化が拙速なものでないか考える必要がありそうですね。

今年の手足口病

2017-08-03

手足口病が警戒レベル以上になっているとのことですが、今年はコクサッキーウイルスA6、A16が原因ウイルスではなく、エンテロウイルス71(EV71)が原因ウイルスということで、厚労省のアナウンスも力がはいっているような感じです。エンテロウイルス71による手足口病は、所見上はコクサッキーウイルスによるものより、少し水疱が少し大きい感じがするだけですが、重症化しやすいのが特徴です。

水疱の初期症状としては、手足よりも口に水疱が先に出ることが多く、手足の水疱は痒みや痛みが顕著ではないのですが、口の中の水疱の痛みは強烈であることが多いので、口内炎と思われて来院することが多いようです。

感染リスクとしては、飛沫感染や糞口感染が多いと言われていますが、僕の考えるところとしてはプールが大きな原因と思っていたので、プール離れの現代で流行るのは驚きでもあります。ウイルスも自身の生存をかけて進化しているということでしょうか。

診断は容易なんですが、特に治療法があるというわけではないので、診断だけして、「安静にされるのが治療です。」と言って診療を終わる時の保護者の方の不信感の混ざった空気感が堪えます。ただ、水疱の初期症状は口内ですが、水疱が出る時点で手足口病の病期としては中盤以降なんです。発疹が出ているのに、峠を過ぎつつありますとはどういうことかとお叱りを受けたこともありますが、自分の子を心配する親としては当然の発言のようにも感じます。

多彩なウイルスが織りなす病ですが、早めの抗ウイルス剤の登場を望みます。

メスの材質

2017-08-01

先日に友人の歯科医師より、メスの替刃を頂きました。その先生は、矯正が専門なので、メスはほとんど握らないからという理由で持ってきていただいたのですが、当方はヘビーユーザーなので喜んでおりましたが、あまり知らないメーカーのもの。

失礼ながら、あまり期待はせずに使ってみたら、本当によく切れる!メジャーメーカーのものよりよく切れるんです。

刃物はステンレススチールとカーボンスチール(炭素鋼)のものがあるのですが、メジャーメーカーのものは一部を除いて、ほぼステンレススチール製となっておりますが、どうやらもらったものは、硬いし、曲げると刃を折ることができるので、懐かしいカーボンスチール製のもののようです。

昔のよく切れた砥ぐタイプのメスはカーボンスチール製のものが多かったのですが、替刃式はほぼステンレススチール製となっております。材料でいえばステンレススチールの方がカーボンスチールの方が圧倒的に高価なので、使い捨ての替刃にステンレススチールを用いるのは理にかなっておりませんし、錆びにくさが利点であるステンレススチールをたかだか数時間の手術時間のメスに用いるのはナンセンスだと思っておりました。好みもあるでしょうが、切れ味の点で言えば、カーボンスチール製の方に軍配が上がります。

ただ、メスの替刃のメジャーメーカーはフェザーかKAIなんですが、どちらもカミソリメーカーなんですよね。カミソリとメスは同じラインで作っているというのは聞いたことがありましたが、カミソリはほぼステンレススチール製に移行した今となっては、製造コストから考えてメスの替刃もステンレススチール製になってしまうんでしょうね。

適材適所と言いますが、現在の医療もコスト抜きには語れないようです。ちなみにメス並みの切れ味という謳い文句のステンレス包丁がテレビ通販でいたしておりましたが、カミソリ並みの切れ味と思うとちょっと冷ややかになってしまいます。
プロフィール

奈良井聡

Author:奈良井聡
徳島県の開業歯科医です。

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